プログラム学習をもう一度

プログラム学習をもう一度

大学2年生の時、堀内敏夫教授が、「アメリカのスキナー先生が、新しい授業の方法を開発した。これで勉強すると、教室内のすべての生徒が100点取れるようになる。これまでのような成績の個人差は、100点取るまでに何分勉強時間が必要かに現れる」と話された。成績に自信のなかったので、これを研究するのは天下国家のためだと思った。私と同じように、勉強に悩んでいる仲間がたくさんいたからである。

小学校の教員から大学で教育心理学の授業をするようになり、「教育心理学」の教科書を2回編集したが、そのいずれにも「プログラム学習の原理」を学ぶためのプログラム学習の実物を載せた。実際にプログラム化された教材をつかって、プログラム学習の5つの原理を学ぶことができる。これは、今日、大学の授業で話題になるアクティブラーニングのかたちをとることができるので、学生には人気がある。

しかし、小・中・高の学校現場では、プロクラム学習は顧みられなくなった。大学の授業でも、キーワードとして触れることはあっても、歴史的遺産になっている。あるとき会津若松市の教育委員会を訪ねる用事があったので、「プログラム学習の研究資料は、どうなっているのでしょうか」と、尋ねた。「大学では、まだプログラム学習を教えているのですか」とあきれられてしまった。

インターネットが教室に繋がり、E-ラーニングが実用化されるようになった。電子黒板や電子教科書が、盛んに導入されている。しかし、それらが本当に教育効果を発揮するには、ソフトの開発技術が不可欠である。

なぜプログラム学習が、顧みられなくなったのか。理由は2つある
① ワープロはもとより、コピー機さえ不十分なアナログ時代であった。
  他の人が作ったものを、再利用や修正して利用するのが難しい。
② スモールステップが、教材作成の唯一の理論であった。
  多様な教材トピックの学びに対応できなかった。

心理学の世界で、行動主義の心理学から認知心理学へのパラドックス変化が起きた。新しい教授学習の理論をプログラム学習へ反映させることによって、「プログラム学習をもう一度」と、その効果を訴えたい。

プログラム学習の父と祖父
スキナーの説明 「私たちは、なぜプログラム学習が必要か」
プログラム学習を体験したことがありますか
プログラム学習の実際
授業のなかで、「プログラム学習」をどのように使うか

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